n次元ユークリット空間はノルム空間

n 次元ユークリット空間の定義とノルム空間であることの証明を紹介します。

n次元ユークリッド空間とは

\mathbb{R}^n\mathbb{R}-線形空間であることに注意する.
\|\cdot\|_2: \mathbb{R}^n \to \mathbb{R}\|x\|_2 = \sqrt{x_1^2 + x_2^2+\cdots+x_n^2} (x =(x_1,x_2,\cdots,x_n))で定める.
このとき, (\mathbb{R}^n,\|\cdot\|_2) はノルム空間である.
そして, この空間をn次元ユークリット空間という。

(\mathbb{R}^n,\|\cdot\|_2) がノルム空間であることを証明するためには,
\|\cdot\|_2ノルムの定義(ノルムの定義はこちら。)を満たしていることを確かめればよい.

(N1), (N2), (N3) の順に示していく.

(N1)

(N1) {}^{\forall}x \in \mathbb{R}^n に対し, \|x\|_2 \ge 0 で, 「\|x\|_2 = 0 \Leftrightarrow x = o」 を示す.
{}^{\forall}x \in \mathbb{R}^nをとる.
x =(x_1,x_2,\cdots,x_n)とかく.
このとき,
\|x\|_2 = \sqrt{x_1^2 + x_2^2+\cdots+x_n^2} \ge 0 なので, \|x\|_2 \ge 0.

また,
\|x\|_2 = 0 \Leftrightarrow \sqrt{x_1^2 + x_2^2+\cdots+x_n^2} = 0
\Leftrightarrow x_i =0 (i =1,2,\cdots,n)
\Leftrightarrow x = (0,0,\cdots,0)=o.

よって (N1) は示された.

(N2)

(N2) {}^{\forall}x \in \mathbb{R}^n, {}^{\forall}\alpha \in \mathbb{R}に対し, \|\alpha x\|_2 = |\alpha|\cdot\|x\|_2を示す.
{}^{\forall}x \in \mathbb{R}^n, {}^{\forall}\alpha \in \mathbb{R}をとる.
x =(x_1,x_2,\cdots,x_n)とかける.
このとき,

\|\alpha x\|_2 = \|(\alpha x_1,\alpha x_2,\cdots,\alpha x_n)\|_2

= \sqrt{(\alpha x_1)^2 + (\alpha x_2)^2+\cdots+(\alpha x_n)^2}

=\sqrt{\alpha^2 (x_1^2 + x_2^2+\cdots+ x_n^2)}

=|\alpha|\sqrt{x_1^2 + x_2^2+\cdots+ x_n^2}

=|\alpha|\|x\|_2.

以上より, (N2) は示された.

(N3)

(N3) {}^{\forall}x, y \in \mathbb{R}^n に対し, \|x + y\|_2 \le \|x\|_2+\|y\|_2 を示す。

x =(x_1,x_2,\cdots,x_n),y =(y_1,y_2,\cdots,y_n) とかく.

\|x + y\|_2 \le \|x\|_2+\|y\|_2(N1)より両辺ともに非負なので,
両辺を2乗した(\|x + y\|_2)^2 \le (\|x\|_2+\|y\|_2)^2 を示せばよい.

(\|x + y\|_2)^2 = \sum_{i=1}^{n} (x_i + y_i)^2  (\|\cdot\|_2の定義より)

=\displaystyle\sum_{i=1}^{n} x_i^2 +2\sum_{i=1}^{n}x_i y_i +\sum_{i=1}^{n}y_i^2

\le \displaystyle\sum_{i=1}^{n} x_i^2 +2\sqrt{\sum_{i=1}^{n}x_i^2} \sqrt{\sum_{i=1}^{n}y_i^2} +\sum_{i=1}^{n}y_i^2   (シュワルツの不等式より)

=\left(\sqrt{\displaystyle\sum_{i=1}^{n}x_i^2} + \sqrt{\displaystyle\sum_{i=1}^{n}y_i^2} \right)^2

=(\|x\|_2+\|y\|_2)^2. (\|\cdot\|_2の定義より)

以上より, \|x + y\|_2 \le \|x\|_2+\|y\|_2.

以上で, \|\cdot\|_2ノルムの定義を満たしていることわかった.

結論: (\mathbb{R}^n,\|\cdot\|_2) はノルム空間である。