開球は開集合【証明付き】

開球って本当に開集合でしょうか?

開球は開集合

カイキくん
開球ってホントに「開」なの?
スウガくん
どういう意味だい?
カイキくん
開球って言ってるけどホントに開球は「開集合」なのかなって
スウガくん
どうしたら納得する?(笑)
カイキくん
開集合の定義通りに示してくれたら、納得する(笑)
スウガくん
OK。じゃあ一緒に証明してみようか。

開球の定義

スウガくん
それじゃあまず開球の定義は覚えている?
カイキくん
覚えてるよ!これでしょ。
開球の定義
(X,d)距離空間 とする.
x_0\in X, r > 0 とする.
S_r(x_0) = \{x\in X\ |\ d(x, x_0) < r\}
と定義し, S_r(x_0) を「x_0 を中心とする半径 r の開球」という。
スウガくん
そうそう。いいね。じゃあ次、開集合の定義は?
カイキくん
・・・。なんだっけ?(笑)
スウガくん
(笑)。「距離空間上の開集合の定義と性質」で1回やっているね。もう一回確認しておこう!

開集合の定義

開集合の定義
( X, d )距離空間とする。G \subset X とする。
{}^{\forall} x \in G , {}^{\exists}\epsilon > 0 ,{}^{s.t.} S_{\epsilon}(x) \subset G
が成立するとき、  GXの開集合であるという。
スウガくん
それじゃあ証明に入ろうか。
カイキくん
はーい

開球は開集合である

開球は開集合
S_r(x_0)X の開集合である.

証明

方針S_r(x_0) が開集合であることを示すのだから、定義通りに,

{}^{\forall}x\in S_r(x_0), {}^{\exists}\epsilon > 0,{}^{s.t.}S_{\epsilon}(x)\subset S_r(x_0) を示せばよい。

スウガくん
(X,d)は一般の距離空間だけど,前に証明した距離空間(\mathbb{R}^2,d_2) に置き換えて開球の図をかきながら証明を見ると理解しやすいよ。

※ 距離空間(\mathbb{R}^2,d_2) の記事こちら

証明

{}^{\forall}x\in S_r (x_0) をとる.

S_r (x_0) の定義より,

d(x, x_0) < r.

変形すると, r - d(x, x_0) >  0.

\epsilon = r - d(x, x_0) とおくと,

\epsilon > 0 で, S_{\epsilon}(x) \subset S_r(x_0) である。

実際, y\in S_{\epsilon}(x) とすると,

d(x_0 , y) \le d(x_0, x) + d(x, y)   ( 三角不等式より )

< d(x_0, x) + \epsilon      ( d(x,y) <  \epsilon より )

= r - \epsilon + \epsilon     ( \epsilon = r - d(x, x_0)より )

= r

なので, y\in S_r(x_0).

結論:開球 S_r (x_0)X の開集合である。