今回の目標は、
下記の問題を解けるようになることです。
群Gから群G’への準同型写像fが全単射であるとする。
このとき、逆写像f-1も準同型写像となることを証明せよ。
出てくるキーワードは、全単射と逆写像、群、準同型写像の4つです。
これらの定義は必須です。
わからなければ必ず確認するようにしよう。
ここでは、群と準同型写像の定義を紹介するよ。
群の定義
Gを集合とする。
一つの演算 ◦ : G × G → G が与えられていて、
以下の3つの条件をみたすとき、(G, ◦)は群であるという。
(G1) 任意の元 a, b, c ∈ Gに対して、(a ◦ b) ◦ c = a ◦ (b ◦ c) .
(G2) ある元 e ∈ G が存在して、どんな元 a ∈ G に対しても、
a ◦ e = e ◦ a = a.
(G3) 任意の元 a ∈ G に対して、
a ◦ b = b ◦ a = e となる b ∈ G が存在する。
(G1)は結合律という。
また、(G2)のeを単位元といい、(G3)のbをaの逆元という。
準同型写像の定義
(G, ・),(G', ◦)を群とする。
G から G' への写像 f が、
任意の元 a, b ∈ G に対して、f (a・b) = f(a) ◦ f(b) を満たすとき、
f を G から G' への準同型写像という。
集合Gに入っている演算が・で、集合G'に入っている演算が◦です。
同じではないので注意してね。
問題
群Gから群G’への準同型写像fが全単射であるとする。
このとき、逆写像f-1も準同型写像となることを証明せよ。
解答例
(G, ・),(G', ◦)を群とする。
任意にa,b∈G’をとり、f(x)=a,f(y)=bとする。
a◦b = f(x)◦f(y)
= f(x・y)
よって、f -1(a◦b) = x・y. …①
また、f(x) = a,f(y) = b より、
f -1(a) = x, f(b) -1 = y
したがって、f -1(a)・f(b) -1 = x・y. …②
①,② より, f -1(a◦b) = f -1(a)・f(b) -1.
よって、f -1 は準同型写像である。
上で確認した準同型写像の定義を, f -1が満たしていることを確認できるね!
今回は以上です。では、また。