全射、単射、全単射の定義と[0,1) から (0,1) への全単射写像をつくる方法を紹介する。
全射と単射、全単射
全射の定義
を写像とする。
任意の に対して、 となる が存在するとき、
は全射であるという。
つまり、記号で書くと、
が成立することです。
単射の定義
を写像とする。
が成立するとき、
は単射であるという。
全単射の定義
を写像とする。
が全射かつ単射であるとき、 は全単射であるという。
全単射は、双射、上への1対1写像、一対一対応などともいいます。
本によって呼ばれ方が変わるので、覚えておくと便利です。
[0,1) から (0,1) への全単射写像
問. [0,1) から (0,1) への写像で全単射となる写像をつくれ。
解答例
写像 を
(1)
で定める。
このとき、この が から への全単射写像であることを示す。
全単射写像は全射かつ単射の写像でした。
なので、
- 全射であること
- 単射であること
をそれぞれ確かめてみよう。
(全射であること)
をとる。
のとき、
とおくと、.
のとき、
となる が存在する。
とおくと、.
のとき、
とおくと、.
よって、以上より、 は全射である。
(単射であること)
とする。
のとき、
となる が存在する。
.
よって、.
のとき、
.
の取り方より,
なので、
よって、.
のとき、
となるような が存在。
となるような が存在。
より, .
.
.
のとき、
.
より、.
のとき、
となるような が存在する。
ここで、 とおくと、 は自然数なので、
である。
の取り方より、.
よって、.
以上より は単射である。
全単射写像と濃度
また、これは[0,1) と(0,1) の濃度が等しいことを表しています。
濃度が等しいことの定義と、全単射写像の他の例を見てみたい方はサイト内で探してみてね。