定義(順序関係と順序集合)
(
) を集合とする。
に対し,
か
が定まっていて
以下の
の3つの条件を満たすとき、
を順序関係という。
![]()
「
」
.
「
かつ
」
.
また、順序関係を与えられた集合
を順序集合といい、
または
で表す。
定義(最大元、極大元、上限)
を順序集合とし、
を
の部分集合とする。
![]()
が
の最大元であるとは、
で、
(
)
が成立することをいい、この最大元
を
で表す。
![]()
が
の極大元であるとは、
で、
「
かつ
」
![]()
が成立することをいう。
![]()
が
の上限であるとは、
,
![]()
が成立することをいい、この上限
を
で表す。
例題(最大元は上限、最大元は存在しても1つ)
一般に最大元は上限であることと、最大元は存在しても一つであることを示せ。
解答例:
最大元は上限である
を順序集合とし、
を
の部分集合とする。
が存在すると仮定する。
より,
は
の上界である。
すなわち、
(
.
をとると、
![]()
ここで、
は
の元でもあるから、![]()
ゆえに、黄色の下線 より
.
したがって、最大元は上限である。
最大元は存在しても1つ
背理法を用いる。
仮に
とは異なる
の最大元が存在したとする。これを
とおく。
より、
(
)
このとき、
だから、
.
より、
(
)
このとき、
だから、
.
より、
. これは仮定に矛盾。
したがって、最大元は存在する場合、一意的に存在する。