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コーシー列は有界【ノルム空間】

有界の定義

(X,\|\cdot\|)をノルム空間とし、\{x_n\}_{n = 1}^{\infty}X 内の点列とする。
{}^{\exists} M > 0 ,{}^{s.t.}\|x_n\| \le M  ( {}^{\forall}n \in \mathbb{N})
が成立するとき、 \{x_n\}_{n = 1}^{\infty} は有界列であるという。

コーシー列の定義

(X,\|\cdot\|)をノルム空間とし、\{x_n\}_{n = 1}^{\infty}X 内の点列とする。
{}^{\forall} \epsilon > 0 , {}^{\exists}N \in \mathbb{N} ,{}^{s.t.}N \le n, m \Rightarrow \|x_n -x_m\| \le \epsilon
が成立するとき、 \{x_n\}_{n = 1}^{\infty} はコーシー列であるという。

コーシー列は有界である。

X をノルム空間,  \{x_n\}_{n = 1}^{\infty}X 内の点列とする。このとき、\{x_n\}_{n=1}^{\infty} がコーシー列ならば、この点列 \{x_n\}_{n=1}^{\infty} は有界列である。

証明

(X,\|\cdot\|) をノルム空間とし、\{x_n\}X 内の点列でコーシー列とする。コーシー列の定義より、1 > 0 に対して,

{}^{\exists}N \in \mathbb{N} ,{}^{s.t.}N \le n, m \Rightarrow \|x_n -x_m\| \le 1 .

N \le N なので, N \le n のとき, \|x_n - x_N\| \le 1.

| \|x_n\| - \|x_N\| | \le \|x_n - x_N\|より, N \le n のとき、

| \|x_n\| - \|x_N\| | \le 1 .

変形すると、\|x_N\| - 1 \le \|x_n\| \le \|x_N\| + 1 .

M =max\{\|x_1\|, \|x_2\|,\cdots,\|x_{N - 1}\|, \|x_N\| + 1\}とおく。

N \le nに対して、\|x_n\| \le \|x_N\| + 1 \le M.

Mの置き方から, もちろんn =1,\cdots,N - 1に対しても、\|x_n\| \le M .

以上より, \|x_n\| \le M ({}^{\forall}n \in \mathbb{N})

ゆえに、\{x_n\} は有界列である。 □

ちなみに、前記事の「収束列はコーシー列」の結果と合わせると、「収束列は有界列である」ということがわかる。是非、前記事も参照してほしい。

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