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『20歳の自分に受けさせたい文章講義』ー文章の書き方【書評】

『20歳の自分に受けさせたい文章講義』を読みました。

文章の書き方をしりたい。
なんだかうまく書けていない気がする。

そんな風に思っていたところ、この本に出会いました。

ベストセラーとなった『嫌われる勇気』
をかいた古賀史健さんの本です。

国語の授業で扱ってほしい、実用的な文章の書き方を学べます。

リズムよく読むことができて、あっという間に読み終わりました。
文章をかく人に絶対おすすめしたい一冊です。
備忘録として、印象に残ったことを残しておきますね。

考えるために書く

” 書く技術 ” を身につけることは、
そのまま ” 考える技術 ” を身につけることにつながる

映画やゲーム、本。世の中には面白いコンテンツがあふれるようになりました。
これらの話題が話の中で上がることがあります。

「あの本おもしろかったよね。」

「あー。わかる。おもしろかった。」

会話であれば、これで、成り立ちます。
なぜなら、文章と違って、表情や動作、声のトーンなどの他の
方法を合わせて感情を表現することができるからです。

しかし、文章ではそうはいきません。
どこがどう面白かったのかなど言葉にして初めて相手に伝わるのです。
そこは普通に過ごしていたらあまり考えない部分でしょう。

「何かよくわかんないけど面白かった」

この「なんかよくわかんない」を
言葉にして、文章にすればいいのです。
そうすることで、客観視できます。

感想文を書こうと思うなら、
こうして物語の内容、魅力、ポイント、欠点など、
あらゆることを自分の頭で整理・再構築し、アウトプットしていかなければならない。

あいまいな記憶、漠とした感情に、論理の串を突き刺さねばならない。

こうすることで、本当の意味で、考えることにつながります。

日頃、何か考え事をするときも、頭の中だけで考えてしまうのではなく、
手を動かして文字を書きながら考えた方が、いいアイデアがでるのです。

簡単に実践できますね。

細部を描く

" 面倒くさい " 細部の描写によって得られたリアリティは、読者の理解を促し、文章の説得力を強化する

"めんどくさい" 細部とはどういうものなのか?
このことについて、本の中では以下の例が挙げられています。

①コーヒーを飲むと、眠気が覚める
②コーヒーを飲むと、カフェインの効果によって眠気が覚める
③コーヒーを飲むと、カフェインが脳内のアデノシン受容体に働きかけるため、眠気が覚める

①から③の順にリアリティが増し、文章の説得力が上がっていることが実感できるでしょう。
文章を書くときは、最初は①の段階でいいと思います。
何回も書いていくうちに、③のような説得力のある文章が書ける技術を身につけたいですね。

しかしながら、①も捨てがたいのではないでしょうか。
たくさん書かないことによって、読み手が想像できる幅が広がると思うからです。
例えば、①なら理由も読者が自分なりにつける余地が残ります。
また、①の方が内容が頭にすっと入ってくる人もいるはずです。

場合に合わせて、目的に合う文章作成を心掛けたらいいですね。

予告編の3パターン

読まないというカードを切らせないための構成法。

文章の導入部分を考えるときに役に立ちます。

①インパクト優先型

あえて冒頭に結論(主張)をいう。
そこから一般論に切り替える方法。

例)
最近、数学がおもしろい。
小学校では算数を習う。そして中学校に入学して初めて目にするのが数学。
数学では文字を扱い、より抽象的な思考法を学ぶことになるのだ。・・・

②寸止め型

核となる部分を話さず、正体をつきとめられそう、
というぎりぎりまで核に関する周辺の情報を開示することで、
核心部分を想像させ、興味を引き付ける方法。

例)
中学校で多くの人が嫌いになる教科がある。
小学校までとは違い、より高度な思考を求められるようになるものが中学校の教科。
そんな教科の中でも、特に苦手意識をもたれる科目があるという。・・・

③Q&A型

導入だけで、問いと答えをそろえる方法。
忙しい現代人にはこの方法の方が、伝えたい内容は伝わりやすい。

例)
中学生の多くが数学が苦手らしい。
いったいなぜ、多くの中学生に苦手意識をもたれてしまうのか?
その理由は、感情移入しにくいという数学の特性にあったーーー。

例はぼくが適当につくったものなので、事実とは一切関係ありません。
中学生の多くが数学を嫌っているかどうかは知りませんので、ご了承ください(笑)

まずは書いてみる

他にも、文章の構成の大切さなど、
この本から学べることは多いです。

しかし、得た知識も活用しなければ、自分のものにはなりません。
まずは、一度読む。そして、実際に書いてみましょう。

実践しつつ、何度もこの本を読み返すことで
確実な力にしたいですね。

興味がある方はぜひ手に取ってみてください。

では、また。

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