ハイネ・ボレルの被覆定理
- ハイネ・ボレルの被覆定理
- , とする。
有界閉区間 はコンパクトである。
証明しよう
証明の方針:
がコンパクトであることを示す。
定義通りに示すなら、
の任意の開被覆 に対して、
その中の適当な有限個 を選んで、
とできることをいえばよい。
背理法で示す。
を の任意の開被覆とし、
どんな有限個の開被覆 を選んでも、
となると仮定する。
このとき、矛盾がでることをいえばよい。
証明:
背理法で示す。
を の任意の開被覆とする。
[a,b] は のうちの有限個では覆えないと仮定する。
とおく。
すると、 は閉区間 を2等分する点である。
閉区間 は のうちの有限個では覆えないので、
と のうちで少なくともどちらか一方は のうちの有限個で覆えない。
[aside type="normal"]
なぜなら、 と の両方とも のうちの有限個で覆えるとすると、
が のうちの有限個で覆えることになってしまい、仮定に矛盾するからである。
[/aside]
と のどちらとも のうちの有限個で覆えない場合は、 とし、
と の片方のみ のうちの有限個で覆えない場合は、その のうちの有限個で覆えないほうを とおく。
さらに、 を2等分して2つの閉区間を考えると、
同じように、そのうちで少なくともどちらか一方は のうちの有限個で覆えない。
そして、先ほどと同様に、 を定義する。
この操作を繰り返す。すると、
[box class="glay_box"]
となる有界閉区間の列 がとれる。[/box]
区間の幅を考えると、 のとり方より、
( ).
カントールの区間縮小法より、
となる が存在する。
なので、
となる が存在。
は の開集合であるから、
なので、
となるように がとれる。
すると、となり、
は一個の で覆われてしまっている。
これは、各 が のうちの
有限個で覆えないことに矛盾。
仮定が間違っていた。
は のうちの有限個で覆える。
結論:
有界閉区間 はコンパクトである。
これが、ハイネ・ボレルの被覆定理であった。